賃貸物件の修繕・メンテナンスを考える(後編)

賃貸管理コラム

前回に続き、賃貸物件の修繕・メンテナンスというテーマでお伝えいたします。

全国の賃貸物件の50%以上が築20年以上の時代と言われ、

これからますます老朽化が進んで行きます。


老朽化が進んでいく中で、修繕・メンテナンスは今以上にとても重要です。

前回、予防保全的に修繕・メンテナンスをして行く考え方をお伝えしましたが、

今回は費用の捻出について解説したいと思います。

賃貸物件の修繕・メンテナンスを考える(後編)の画像2

1.共用部分の日常管理

定期清掃、建物点検等のメンテナンス費用は、月々の家賃収入の中から支払って行きます。

年間通して、運営費は家賃収入の20%以内が目安と言われております。


2.修繕(日常リフォーム・長期修繕)

修繕については日常リフォームと長期修繕の2種類に更に分かれます。


①日常リフォーム

入居者からの通知による修繕、原状回復工事も月々の家賃収入から支払って行きます。

年によって退去が多かったりすると費用が大きくなる場合もあります。

そのため、賃貸収益で得られた余剰金は貯蓄して行くことも重要です。


②長期修繕

建物本体や建築設備、住戸内部の設備(給湯器等)は長期修繕計画の中から捻出します。

月々戸当り数千円~1万円位で積み立て、時期が来たらその中から支払うというものです。

分譲マンションでは浸透しておりますが、賃貸マンションではまだまだ浸透しておりません。

現在、賃貸マンション向けに積立分の預金を共済にすることで全額経費計上される商品も出ており、

長期修繕計画も今後広がって行く兆しがあります。


3.リノベーション・バリューアップ

リノベーション・バリューアップについては追加投資という考え方になります。

こちらについては、上記1、2とは異なり、新たな投資という扱いです。

新たな投資により、家賃はどれくらい上がるか、空室期間はどれくらい解消されるか、

将来の物件価値への反映はどうかといった観点で見て行きます。