賃貸物件の修繕・メンテナンスを考える

賃貸管理コラム

今回は、グループ会社でもあります矢島不動産管理が加盟しております、
全米不動産管理協会(IREM JAPAN)の修繕・メンテナンスの考え方をご紹介します。
予防、矯正、繰延の3種類の考え方が述べられております。

老朽化が進んでいく中で、修繕・メンテナンスはとても重要です。
当然築年数が経過して行けば、空室増加、家賃は下落傾向になりますが、
適切なリフォームやリノベーション、大規模修繕工事を行うことで、
家賃の維持・向上に繋がり、賃貸経営に良い影響を及ぼします。

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1つ目が最も望ましい「予防」です。言葉の通り、予防保全的に修繕・メンテナンスをして行く考え方です。
賃貸経営は事業であるため利益に注目が必要です。
経費を上手くコントロールして行きながら、資産価値向上に取り組んで行くことがベストです。

続いて2つ目は「矯正」です。これは何かが起きてから対応する方針です。
主に入居者から連絡があり、対応するというものです。
つまり、問題が顕在化してから対応するため、入居者・テナントの不満、経費の上昇に繋がってしまいます。

例えば、建物のクラックやチョーキングといった劣化現象の段階で大規模修繕工事を行う「予防」に対して、
実際に漏水が発生してから大規模修繕工事を行う「矯正」では、総合的に「予防」が良いことは明らかです。
時には、修繕ではなく全交換をしなければならなかったり、結果的に「矯正」の方が、コストが掛かることもあり、
やはり「予防」という考え方がベストだと思います。

最後に3つ目の「繰延」です。「繰延」は修繕時期を延期するというものです。
過去に修繕を行っていたり、調査の結果、建物の状態が良くて「繰延」する分には良いですが、
建物の状態が悪いのに「繰延」することは当然リスクを伴うため、推奨いたしません。
例としては物件を売却する場合等が挙げられます。

ただし、行うべき修繕費用を考慮した売却価格になる、減額されることが想定されます。
修繕・メンテナンスは「予防」が重要であることがわかるかと思いますが、重要なのはその費用の捻出です。
当然ながらキャッシュフローが出ていることが大前提となりますが、
具体的な費用の考え方を後にお伝えしたいと思います。