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賃貸物件の給排水管の変え時は?

築20年以上の賃貸物件が約60%の時代となっております。
土地価格の値上がり、建築価格の高騰等、新築物件の供給は以前に比べて難しくなっており、今後は脱スクラップ&ビルド、ZEHの標準化等、建物の長寿命化がますます重要となっていきます。今回は賃貸物件の給排水管工事の考え方について解説していきたいと思います。

賃貸物件の修繕工事で難しいのは給排水管更新工事です。大規模修繕工事のように劣化が目に見える訳ではなく、給水ポンプやエレベータのように定期的な点検もないため、ある日突然漏水等の事象となって現れます。給排水管更新については以下の表のとおり、修繕周期が分かれております。
国土交通省の長期修繕計画ガイドラインですが、令和3年に改正され、専有部の修繕周期が新たに追加されました。

出典:国土交通省 令和3年9月改定 長期修繕計画ガイドライン

実際、賃貸管理の現場で多いのは給湯管からの漏水と言えます。
給湯管は文字通り、お湯が通る管のため、管内に気泡が発生し、気泡が配管内にぶつかり小さな穴を開けるピンホール漏水が発生します。そのため、優先的に更新していくのは専有部となりますが、専有部の給排水管の復旧は内装工事を伴います。となると1世帯あたり100万円近く掛かるケースもあるため、仮に10世帯やるという話であれば1,000万円という話になります。

一方で給排水管更新工事を行ったところで家賃が上がる訳ではないので、それであれば費用対効果を考慮して、売却や建替も選択肢に入ってきます。賃貸マンションでは、オーナーの目的を踏まえて、費用対効果を基に優先順位を付けて判断していく必要があります。

給排水管の更新工事の場合、優先順位は室内になります。実施するタイミングは原状回復工事等の室内工事と併せて行うことで費用を抑えることが可能です。配管の位置や長さによって修繕費は変わってくるため事前に配管の交換費用にどれくらい費用がかかるか確認していくことが理想です。
それを踏まえて、修繕費を準備しておくと良いと思います。

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