相続した借地(借地権)を売却したい方へ|第3回 売る前にできることは?借地権の資産性を高めるポイント
前回は、借地権付き建物の価格がどのような要素によって決まるのかについてご紹介しました。
では、売却する前に、少しでも売りやすい状態・買主が購入しやすい状態にしておくことはできるのでしょうか。
借地権付き建物の場合、建物の状態だけでなく、借地契約や地主との関係、そして買主の融資も重要なポイントになります。

まずは借地契約を整理する
売却を考えたら、まず確認したいのが現在の借地契約です。
・契約期間や更新状況
・現在の地代
・更新料などの取り決め
・譲渡や建替え、増改築に関する条件
などを整理しておきましょう。
相続した物件の場合、「契約書が古い」「更新の経緯がよく分からない」というケースもあります。
まずは現在の権利関係を明確にすることが、売却準備の第一歩です。
地主との関係も重要
借地権付き建物を第三者へ売却する場合、契約内容などに応じて地主の承諾が必要となることがあります。
そのため、「地主から譲渡承諾を得られる見込みがあるのか」という点は、買主にとっても重要です。
これまでの地主とのやり取りや、譲渡・建替えなどについてどのような取り決めがあるのかを、あらかじめ確認しておきましょう。
「買主が融資を受けやすい状態」にしておく
借地権付き建物を売却するうえで、忘れてはいけないのが買主の資金調達です。
買主が現金で購入するとは限らず、住宅ローンなどの融資を利用するケースもあります。
そのため売主側としても、「いくらで売れるか」だけではなく、「買主が金融機関から融資を受けやすい状態になっているか」という視点が大切です。
例えば、借地契約書や地代、契約期間、更新状況、地主の譲渡承諾などについて必要な情報が整理されていれば、買主も金融機関へ相談しやすくなります。
金融機関によって審査基準は異なるため、必ず融資が受けられるわけではありません。
しかし、買主が融資を検討しやすい状態を整えておくことは、売却の可能性を広げるうえで重要なポイントです。
資産性を高める=大きなリフォームではない

「売却前にリフォームすれば高く売れるのでは?」と思われるかもしれません。
もちろん、建物の状態によっては修繕や清掃が有効な場合もあります。
ただ、借地権付き建物では、必ずしも多額の費用をかけてリフォームすることが得策とは限りません。
それよりも、
・契約内容を整理する
・地主との関係を確認する
・地代や更新条件を明確にする
・買主が融資を検討しやすい状態にする
といった準備が重要になります。
つまり、ここでいう「資産性を高める」とは、単純に建物をきれいにすることではありません。
買主が購入を検討しやすく、資金調達についても相談しやすい状態をつくること。
これも、借地権付き建物を売却するうえで大切な準備の一つです。
まとめ
借地権付き建物は、所有権の物件と比べて確認する事項が多いため、売却前の準備が重要です。
「借地権だから売りにくい」と考えるのではなく、「どうすれば買主が購入しやすい状態になるのか」
という視点で考えてみましょう。
借地契約や地主との関係を整理し、さらに買主が金融機関から融資を受けやすい状態を整えておく。
こうした準備によって、売却の可能性を広げられるケースがあります。
売買担当スタッフ 河野(かわの)

