2024年の不動産投資の概要
不動産価格が上昇している一方で、収益不動産の取引は活況です。
現在の相場も踏まえて物件タイプ別に2024年の不動産投資の概要をお伝えしていきたいと思います。
概ねの特徴をまとめましたが、新築、築浅系アパートは個人の方向けに金利約2%、自己資金10%目安、期間35年等、好条件の融資が増加しております。
ただし、土地価格の上昇、建築コスト高騰により利回りが取れる物件は減っており、表面利回りが良い物件も賃貸需要が限られていたり、見込んでいた家賃が取れないケースもあるため、融資条件に惑わされず、物件自体の収益性を見ることが重要です。
新築、築浅系 | アパート | マンション |
利回り目安 | 都市エリア6%~、郊外エリア7%~ | 都心3%~ |
主な価格帯 | 5,000万円~1.5億円 | 2億円以上 |
投資の目的 | 主にインカムゲイン、キャピタルゲイン | 主に相続税対策、資産の保全 |
業界の特徴 | アパート建売業者の販売が多い | デベロッパーの新規参入が増加 |
投資の特性 | 融資条件が良いが賃貸需要に注意 | 利回りが低いので購入者層は限られる |
築古系 | アパート | マンション |
利回り目安 | エリアによるが7~10%以上 | エリアによるが7~10%以上 |
主な価格帯 | 5,000万円~1.5億円 | 5,000万円~2億円 |
投資の目的 | 主にインカムゲイン、所得税対策 | インカムゲイン、キャピタルゲイン、 資産の保全等 |
業界の特徴 | 減価償却重視の買取再販が増加 | 仲介、買取再販共に多い |
投資の特性 | 修繕リスクに注意 | 修繕リスクに注意 |
新築マンションについては立地重視で利回りが低くても先程のお話のように相続対策、円安対策等に取り組む富裕層の方もいらっしゃいます。特に最近では、分譲マンションのデベロッパーも大きな土地を仕入れづらくなっているため、このようなニーズの賃貸マンションの開発販売に参入する事業者も増加しつつあります。
一方で、5階建でエレベータが付いていない物件、極端に間取りが狭い物件等は利回りが高く設定されていても注意が必要です。賃貸付けが苦戦し、空室損や広告費支出の増加、退去も多い傾向にあるため原状回復費の増加も懸念されます。築古アパート、マンションについては共通して修繕リスクに注意が必要です。
築古アパートは、特に首都圏を中心に減価償却にフォーカスした所得税対策の商品が増加しております。例えば建物価格が4,000万円の築30年の木造アパートであれば、年間の減価償却は1,000万円となり、所得税の高い方にとっては大きな節税になります。
しかし、想定以上に修繕費が掛かるケース、大規模修繕工事実施済で購入したはずが工事の質が悪く防水がすぐに剥がれてしまったケース、減価償却が終了したタイミングで売却するはずが残債よりも低い金額になってしまったケース等もあるため、やはり物件自体の見極めが重要です。
築古マンションについては、立地と利回り重視で、長期保有目的で購入される方も多いですが、やはり修繕リスクを考慮しなければなりません。特にアパートと比べると大規模修繕工事も規模が大きく、設備が多い物件もありますので、想定される修繕費については細心の注意が必要です。築古マンションの管理実績の多い会社に相談することがオススメです。